どうして今までなかったの?

なぜ、今まで、相続専門相談が、全国で行われてこなかったのでしょうか。

これには、深いわけがあるのです。

 

今までなかった理由

 数年前、日本弁護士連合会は、弁護士に研修や試験を課して、専門認定を行おうとしたことがありました。しかしながら、この取り組みは、全国からの大反対にあってしまいました。

 その理由は様々ありますが、最も大きな理由は、若手弁護士排除というものがあります。


若手弁護士排除?

 小泉元首相が主導して行われた司法改革。様々な分野にリーガルを浸透させるため、弁護士を増加すべきというものでした。しかし、その改革が急すぎて、弁護士が急増。合格しても就職先がないといった状況にすらなり、若手弁護士支援が叫ばれました。

 その動きの中での専門弁護士制度。経験年数と経験件数を要件とした、ベテラン弁護士しか専門弁護士になれないという制度は、若手は当然「専門弁護士」として登録することが出来ず、若手弁護士をさらに困窮させるものとして、若手弁護士排除の制度であるとして、反対されたのです。


相続専門相談は大丈夫なの?

 今回、全国初の制度として実施する、愛知県弁護士会の名古屋法律相談センター、および一宮法律センターにおいて行われる相続専門相談は、若手弁護士からの圧倒的支援と賛成により実現したものです。それは、ベテランと若手の二人一組で相談を行うという画期的なアイディアにより、若手弁護士から見ても、ベテランから学ぶことが出来る制度になり、若手の反対がない分、ベテランの登録要件を相当厳しくすることも可能になったのです。

 このアイディアは画期的なもので、日弁連をはじめとして、様々な団体やマスコミから問い合わせがあり、「どんな制度なの?」「どうして実現できたの?」という質問に対し、各所に説明に回っています。